2013-01-01から1年間の記事一覧
最近くまモンが人気だ。地方自治体によるゆるキャラブームの火付け役といってもいい存在だ。熊本県と関係ないグッズすらたくさん登場している。このくまモンをダシに、イノベーティブなプロジェクトの生まれやすい環境を考えてみた。すると、お役所的組織は…
昨日(http://basils.hatenablog.com/entry/2013/06/18/002410)の続き。3つ以上の現象間の相互作用について考えるべく、力学系における多体問題を見てみたい。 多体問題とは、「互いに相互作用する3体以上からなる系を扱う問題(ウィキペディアより)」であ…
複数の現象間の相互作用を、どう分析すればよいか、について考えてみた。社会はこうした作用に満ち満ちている。このような作用しか無いといってもよい。これを分析する際には、おなじみの2現象間の「原因-結果」というものの見方を放棄したほうがいいのでは…
今日知り合いの女性と話していて、とても面白いことに気づいた。それは、自らの特権性を意識していないことこそが、その人の特権性の如実な象徴だ、ということである。 彼女の実家では、夜となく昼となくクラシック音楽がかかっていた。彼女はそれらの曲の名…
革新的イノベーションと言われるイノベーションも、開発者たちにとってみれば実は漸進的なイノベーションの集大成なのではないか? 革新的イノベーション(丹羽, 2006)と呼ばれるナイロン・パソコン・カーナビなどは本当のところどのようにして生まれたのか…
モノを売買するというのは、ある概念と別の概念の交換過程である、と考えることもできるのではないか。「概念」といって悪ければ、概念が体化された物体だ。貨幣も概念である。というのは、貨幣が貨幣である所以は、人がそれを貨幣だと信じているためである…
社会科学の現象は、すべて因果関係と相互作用関係のネットワークの中にある。社会科学的分析では、その一部を切り取って、しかも因果関係の方向を一方向に限定して分析しているにすぎないのではないだろうか。 たとえば、藤本・安本(2000)『成功する製品開…
イノベーションの見方には、足し算的イノベーション観と引き算的イノベーション観があると思う。今回はそのうち、引き算的イノベーション観の分析をしてみる。(足し算的イノベーション観と引き算的イノベーション観については、http://basils.hatenablog.co…
前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2013/06/07/004805)引き合いに出した、生気論についての講義。この講義で「おっ」と思ったのは、生気論についての命題を根拠づける、その方法である。そこで、まずは生気論について。 K先生は、「生気論は退却戦…
今日の授業に、生気論についてのレクチャーがあった。そこで他の学生と先生のやり取りをきいていて、ふと思いついたことがある。組織行動や製品開発過程を、生命のアナロジーで分析できるのではないか?平たく言えば、組織は生命体で、組織行動は生命活動だ…
好きなことを仕事にしろ、とはよく言われる。あるいは、何か将来の目標をたててそれに向かった仕事につけ、ともよく言われる。しかし、これは本当にいいアドバイスだとは僕は思わない。 僕なら、毎日辛さを感じずに続けられることを仕事にしろ、と言いたい。…
先日のゼミと授業で、ビッグデータに関して興味深いやり取りを耳にしたのでメモしようと思う。 1週間前ほどのゼミで、ゲストの方がこんなことをおっしゃっていた。その方は統計分析を行う仕事に就いているらしいのだが、昨今のビッグデータブームに辟易して…
新しい概念のインパクトを決める変数は、その概念のインプット/アウトプット比ではないか。つまり、概念へのインプットがより多く、アウトプットとしての概念がより簡潔であればあるほど、その概念のインパクトは大きくなるのではないか。 たとえばホンダに…
普通の方法をとる限り、あるものの新しさは別のものの新しさによってしか説明されない。このことは、新しさとは何かを考える上で極めて重要だと思う。新しさとは何かを「普通の方法」では理解できない、ということが理解できるためである。 「概念の新しさ」…
イノベーションとは、新しい概念の形成と普及のことだと思う。ではその過程は、具体的にはどう進むのだろうか?具体例を用いて分析してみたい。
スタンダールがその恋愛論において、結晶化作用という現象について述べている。愛には結晶化作用がある。 「ザルツブルグの塩坑で寒さのために落葉した1本の小枝を廃坑の奥に投げ込んでやる。2,3ヶ月もして取出してみると、それは輝かしい結晶で覆われてい…
イノベーションとは、新しい概念が生まれて広まることだと思う。そのステップについては、2つの見方があると思う。 一つ目は足し算的イノベーション観で、「新しい概念は、概念を結合することによって生まれる」と考えるものだ。たとえばウォークマンは、「…
何がグローバルスタンダードだ。グローバルスタンダードなんか糞くらえだ。そんなもの、普遍性の仮面をかぶって人を見下したがる輩が作ったローカルでたまゆらのスタンダードじゃないか。そんな既製服に、人を委縮させるようなイデオロギーに、未来なんてあ…
池上高志・植田工『生命のサンドウィッチ理論』を読んでいる。まだ読了してないので、本の感想を書くのは別の機会にしようと思う。しかし、その中の「シミュレーション」についての記述から連想して色々なことを考えた。 この本は、池上が自らの生命観を平易…
そもそもなぜ、イノベーションの本質を考えることが必要なのだろうか。そんなことを考えるより、イノベーションを起こすためのノウハウのようなものの方がよほど実用的だ。しかし、僕はあえて原理原則に立ち戻ってみたい。一見遠回りだが、それがイノベーシ…
経営学の代表的分析手法である、ガウシアン統計とケーススタディーについて。 今までの経営学においては、統計分析が効かない現象はケーススタディーで分析されていたのではないか。つまり、ガウシアン統計の範疇からこぼれる残余項をケーススタディーが回収…
イノベーションとは、新しい概念が作られることだと思う。今までは、「新しさとは何か?」などについて考察してきた。しかし今日は少し角度を変えて、新しい概念はどのようにして生まれるのかを考察してみる。その際に、示唆に富んでいる事例を見つけた。そ…
「概念の新しさ」とは、そもそも何なのだろうか? イノベーションとは、新しい概念を生み出して広めることだと思う。では、ここで言っている「新しさ」とはいったい何なのだろうか? たとえば、ソニーのウォークマンの事例を考えてみよう。
藤本隆宏・安本雅典の『成功する製品開発』冒頭では、成功の論理は2種類あると指摘されている。 第1が「一本のヒットの論理」。野球の一本一本のヒットには、それぞれ異なる論理がある。それと同様、一つ一つのヒット製品の裏にはそれぞれ固有の論理がある。…
「自分がやりたいこと」と「食うために必要なこと」が異なっている場合、どうすればいいのか? 食うために必要なこととは、社会に求められていることである。たとえ社会に求められていなくても、自分のやりたいことを貫くべきなのか?でもそれでは、食ってい…
かつて僕のゼミの先生(以下大将)はこう言ったものだ。「インタビューで聞ける話は事後的に解釈された話だ。成功した人はどうしても自慢話をしたがるから、話にバイアスがかかる。たとえば、『他の人には反対されたが、あの製品が当たることは分かっていた…
イノベーションとは、「新しい概念の創造と概念の結合」だと思う。じゃあこれで話は終わりかというと、そんなことはない。「新しさ」「創造」「概念」「結合」とは何か、という肝心な問いにはまだ答えられていない。そこでそれを考察してみたい。
先日、高山の酒蔵めぐりに行った。そこで気づいたことについて書いてみる。 隣同士の酒蔵でも、試飲の方式が違う、つまりベストな方式に収斂しないというのが興味深かった。 一つ目の方式では、無料だが勝手に飲むことはできず、店の人に注いでもらう。店の…
大学の授業で、イノベーション論に関する様々な文献を読むようになった。それで思ったことがある。今のイノベーション論では、肝心の「イノベーションとは何か?」に関する本質的定義がされていないのではなかろうか? たとえば 一橋大学編『イノベーション…
昨日H君に聞いた話から、さらに考察を進めてみた。 昨日聞いたのは、走査式電子顕微鏡が普及するかもしれないという話。H君いわく、 「走査式電子顕微鏡が普及するかもしれない。いまは50cm四方位で1000万円。100万円くらいになれば、だれでも買えるようにな…