basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

イノベーションとは結局何なのか?  -なぜ本質を考えることが必要か-

 そもそもなぜ、イノベーションの本質を考えることが必要なのだろうか。そんなことを考えるより、イノベーションを起こすためのノウハウのようなものの方がよほど実用的だ。しかし、僕はあえて原理原則に立ち戻ってみたい。一見遠回りだが、それがイノベーションについて意見交換をしたり、イノベーションを起こす方法を知るうえでも役に立つと思う。では、どんな風に役立つのか?

 

 

 僕は、人々の関心・注意が焦点化されるというメリットが最も大きいのではないかと思う。これまで多くの人が、イノベーションの性質やそれを起こす方法について議論してきた。多くの人が、イノベーションは資本主義経済や企業活動にとって極めて重要だという点では一致している。しかしイノベーションについての議論には、共通の土台がないと思う。経営学者、工学者、デザイナー、実務家、政策担当者などなどが、それぞれ別々の土台で議論しているように思える。共通言語が無いのだ。たとえば、経営学者にとってのイノベーションは「経済的利益をもたらす革新」である。しかし、工学者にとっては「新しい技術の開発とその普及」だろう。実務家にとっては「世の中を変える製品」かもしれない。要するに、イノベーションは大事なものだと皆が思っているが、そのイメージはバラバラなのではないか。同床異夢である。

 

 イメージがバラバラでも、その最大公約数的な部分を取り出して、それを皆で追求すればいいじゃないか、という意見もあるかもしない。つまり、わざわざイメージを統一しなくても…ということである。しかし、これは現実的な策ではない。誰もが共通して持っているイノベーションのイメージは、「新しくて、いいもの」という程度だろう。ここから出発しても、直ちに異なる方針間で対立が生じるはずだ。

 

 そこで、共通言語が必要なのである。共通言語によって、お互いのイノベーション観の何が違って、何が同じなのかを認識することから始めなくてはならない。そうすれば、異分野間で意見の交換ができるようになるだろう。

 

 そしてこの共通言語のためにこそ、イノベーションの本質を考えることが必要だと思うのだ。

 

続き→http://basils.hatenablog.com/entry/2013/05/28/011312