basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

イノベーションとは結局何なのか?  -実証主義研究における概念の形成プロセス-

イノベーションとは、新しい概念の形成と普及のことだと思う。ではその過程は、具体的にはどう進むのだろうか?具体例を用いて分析してみたい。

愛の結晶化作用、概念の結晶化作用

スタンダールがその恋愛論において、結晶化作用という現象について述べている。愛には結晶化作用がある。 「ザルツブルグの塩坑で寒さのために落葉した1本の小枝を廃坑の奥に投げ込んでやる。2,3ヶ月もして取出してみると、それは輝かしい結晶で覆われてい…

イノベーションとは結局何なのか?  -粘土像のメタファー-

イノベーションとは、新しい概念が生まれて広まることだと思う。そのステップについては、2つの見方があると思う。 一つ目は足し算的イノベーション観で、「新しい概念は、概念を結合することによって生まれる」と考えるものだ。たとえばウォークマンは、「…

うつろな劣化コピー達へのレクイエム

何がグローバルスタンダードだ。グローバルスタンダードなんか糞くらえだ。そんなもの、普遍性の仮面をかぶって人を見下したがる輩が作ったローカルでたまゆらのスタンダードじゃないか。そんな既製服に、人を委縮させるようなイデオロギーに、未来なんてあ…

シミュレーションの無限階段について

池上高志・植田工『生命のサンドウィッチ理論』を読んでいる。まだ読了してないので、本の感想を書くのは別の機会にしようと思う。しかし、その中の「シミュレーション」についての記述から連想して色々なことを考えた。 この本は、池上が自らの生命観を平易…

イノベーションとは結局何なのか?  -なぜ本質を考えることが必要か-

そもそもなぜ、イノベーションの本質を考えることが必要なのだろうか。そんなことを考えるより、イノベーションを起こすためのノウハウのようなものの方がよほど実用的だ。しかし、僕はあえて原理原則に立ち戻ってみたい。一見遠回りだが、それがイノベーシ…

ガウシアン統計とケーススタディー

経営学の代表的分析手法である、ガウシアン統計とケーススタディーについて。 今までの経営学においては、統計分析が効かない現象はケーススタディーで分析されていたのではないか。つまり、ガウシアン統計の範疇からこぼれる残余項をケーススタディーが回収…

イノベーションとは結局何なのか? -新しい概念はどのようにして生まれるのか?-

イノベーションとは、新しい概念が作られることだと思う。今までは、「新しさとは何か?」などについて考察してきた。しかし今日は少し角度を変えて、新しい概念はどのようにして生まれるのかを考察してみる。その際に、示唆に富んでいる事例を見つけた。そ…

イノベーションとは結局何なのか? -そもそも「新しさ」とはなにか-

「概念の新しさ」とは、そもそも何なのだろうか? イノベーションとは、新しい概念を生み出して広めることだと思う。では、ここで言っている「新しさ」とはいったい何なのだろうか? たとえば、ソニーのウォークマンの事例を考えてみよう。

イノベーションをシミュレートする -固有性の論理と普遍性の論理-

藤本隆宏・安本雅典の『成功する製品開発』冒頭では、成功の論理は2種類あると指摘されている。 第1が「一本のヒットの論理」。野球の一本一本のヒットには、それぞれ異なる論理がある。それと同様、一つ一つのヒット製品の裏にはそれぞれ固有の論理がある。…

「自分がやりたいこと」と「食うために必要なこと」を一致させる方法

「自分がやりたいこと」と「食うために必要なこと」が異なっている場合、どうすればいいのか? 食うために必要なこととは、社会に求められていることである。たとえ社会に求められていなくても、自分のやりたいことを貫くべきなのか?でもそれでは、食ってい…

ケーススタディー的方法の限界について

かつて僕のゼミの先生(以下大将)はこう言ったものだ。「インタビューで聞ける話は事後的に解釈された話だ。成功した人はどうしても自慢話をしたがるから、話にバイアスがかかる。たとえば、『他の人には反対されたが、あの製品が当たることは分かっていた…

イノベーションとは結局何なのか? -”概念”というものをコンピュータ上で扱うにはどうすればよいか?-

イノベーションとは、「新しい概念の創造と概念の結合」だと思う。じゃあこれで話は終わりかというと、そんなことはない。「新しさ」「創造」「概念」「結合」とは何か、という肝心な問いにはまだ答えられていない。そこでそれを考察してみたい。

高山の酒蔵めぐりから考察する、ビジネスモデルの役割について

先日、高山の酒蔵めぐりに行った。そこで気づいたことについて書いてみる。 隣同士の酒蔵でも、試飲の方式が違う、つまりベストな方式に収斂しないというのが興味深かった。 一つ目の方式では、無料だが勝手に飲むことはできず、店の人に注いでもらう。店の…

イノベーションとは結局何なのか?

大学の授業で、イノベーション論に関する様々な文献を読むようになった。それで思ったことがある。今のイノベーション論では、肝心の「イノベーションとは何か?」に関する本質的定義がされていないのではなかろうか? たとえば 一橋大学編『イノベーション…

ウエアラブル電子顕微鏡は人間の視覚をイノベートするか?

昨日H君に聞いた話から、さらに考察を進めてみた。 昨日聞いたのは、走査式電子顕微鏡が普及するかもしれないという話。H君いわく、 「走査式電子顕微鏡が普及するかもしれない。いまは50cm四方位で1000万円。100万円くらいになれば、だれでも買えるようにな…

池で会ったH君との話

大学の池で、高校の同窓生(H君)とばったり会った。ラジコンヨットを池に浮かべられないか見にきたらしい。ベンチで数時間話したあと工学部の建物を案内してもらい、夕食を食べた。そのとき聞いた話があまりに面白かったので書いてみる。変わり者に話しかけ…

社会科学版の科学コミュニケーター

近年科学コミュニケーターという仕事が注目されている。これは自然科学と社会の橋渡しを行うものだが、同様の役割が社会科学にも必要ではないか。すなわち、社会科学のコミュニケーターである。 社会科学との付き合い方が広く知られていないことは、社会科学…

「知は多面体」というメタファーが社会科学の方法論に与える示唆について

野中郁次郎・紺野登『知識創造の方法論 -ナレッジワーカーの作法-』という本に、「知は多面体」という比喩があった。この比喩を見て、社会科学にさまざまな方法論が乱立していることの意味が何となく分かった気がした。 社会科学を勉強し始めて、さまざま…

文献講読のレジュメ作成の方法

学部の4年生になり、経営学の専門的な文献を読む機会が増えた。それで、文献のまとめレジュメを作る機会も増えた。僕のとっている文献講読の授業では、ほぼ毎回のレジュメ提出が義務づけられているためである。 これはむろん、履修者がきちんと予習してきて…

生命体としての経済活動、そのレーゾン・デートル

ポストモダン的な消費社会論や、高度資本主義批判論は、生き物に対して「お前の本来の、より自然な姿は死んでいる状態だ」といっているようなものではないか?生き物に対してそういうことを言うのは、正論ではあるかもしれないが何か間違っている。経済活動…