basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

就職したことが無い学生が考える、仕事を選ぶための判断基準

 好きなことを仕事にしろ、とはよく言われる。あるいは、何か将来の目標をたててそれに向かった仕事につけ、ともよく言われる。しかし、これは本当にいいアドバイスだとは僕は思わない。
 
 僕なら、毎日辛さを感じずに続けられることを仕事にしろ、と言いたい。なぜなら、どんな仕事でもいい仕事をしようと思うなら、膨大な回数の基本動作の繰り返しが必要だからだ。野球選手なら素振りやキャッチボール、研究者なら文献の精読と文章執筆、ビジネスマンならミーティングや企画立案といったような基本動作だ。
 
 そして、好きなことと、毎日淡々とできることは違うのだ。好きなことでは、いい仕事に不可欠な基本動作の繰り返しはできない。すぐに飽きる。
 
 たとえば、僕はラーメンが好きだ。ではラーメンを毎食苦もなく食べられるかといったら、それは無理だ。3日で飽きる。それに対して、僕はごはんの熱烈なファンではない。空気のような存在である。しかし、ごはんなら毎食苦もなく食べられる。であるならば、僕は主食として、ラーメンでなくごはんを選ぶべきなのだ。実際、主食がラーメンであれば間もなく成人病になるだろうが、ごはんなら長生きできるだろう。
 
 それと同じように、仕事も毎日苦もなくできることを選ぶほうがいいと思う。別に努力がいらない、ルーチン的な仕事がいいというわけではない。努力は必要だ。しかし肝心なのは、その少しづつの努力や改善を、毎日できるかということだ。好きなことでは、あるいは目標のための手段では、これができない。
 
 たとえば、企画を練るのが好きな人間がいるとする。いい企画を思いついたとき、それを形にするのが楽しい。しかし、では彼が毎日五本の企画案を出せと言われたらどうだろう。きっとすぐに力尽きる。白紙の企画書を見るだけで吐き気がしてくるだろう。彼にとって企画づくりは、ラーメンのようなものなのだ。
 
 それに対して、企画づくりがさほど大好きではない人がいたとする。しかし、毎日淡々と企画を作り続けられる。企画を練るという作業が大好きではないが、ずっとやってもペースが落ちない。彼女なら、毎日五本の企画もこなせるだろう。そうすれば、いつかいい仕事ができると思う。