basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

ガウシアン統計とケーススタディー

 経営学の代表的分析手法である、ガウシアン統計とケーススタディーについて。
 
 今までの経営学においては、統計分析が効かない現象はケーススタディーで分析されていたのではないか。つまり、ガウシアン統計の範疇からこぼれる残余項をケーススタディーが回収していた。しかし、本来は「ガウシアン統計の範疇からこぼれるもの」のほうが重要で、それを扱うにはケーススタディーという方法論は力が弱すぎるのではないか?ガウシアン統計に匹敵するような「何か」が必要なのではないか?
 
 従来の経営学・経済学は、対数変換・robustness test・経路依存性・収穫逓増といった手法・概念によって、一見体系に反するような観測事実を体系内に取り込んできた。これは、天動説の時代に様々な概念(天体はある点を中心に回転しているから、実際に観測されるような動きをするのだ、など)を導入することによって、天動説というパラダイムを維持しつつそれを現実に適合させようとしていった過程と似ているのではないか?つまり、パラダイムを変えれば(天動説→地動説のように)複雑な説明を要せずに理解できる現象を、パラダイムを維持しつつ附則をたくさん付け加えることで、わざわざ複雑に説明しようとしているように見える。本当に必要なのは、パラダイムを変えることなのではないか。