basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

高校の友人と、ものを作ることにした ~『リ・インベンション=再発明』という苦肉の策~

高校の友人と、ものを作って売ってみることにした。前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/23/010440)は、クラウドファンディング基本的な特徴や、僕たちにとってのメリットについて書いた。そこで今回は、各クラウドファンディングサイトを比較しみよう。
 
・・・というつもりだったのだが、やっぱり別のテーマについて。資金調達という大事なイベントだ。せっかく比較するなら、きちんと調べてからにしたい。というわけで、これについてはジワジワと調べていって後日まとめて書こうと思う。
 
それで今回はどうしようか。実は最近、友人の大事な試験のために大きな動きは無いのである。試験の終わる2月半ばから、本格的に動くつもりだ。でも動きが無いということは、ブログのネタにも困るということである。
 
そこで苦肉の策というわけでは決してないのだが、このプロジェクトの参考になりそうな本を何冊か挙げて、どの点を参考にしたいか書いてみたい。取り上げるのは、三品和広『リ・インベンション 概念のブレークスルーをどう生み出すか』、クリス・アンダーソン『メイカーズ』、そして東京大学i.school編『東大式世界を変えるイノベーションのつくりかた』の3冊だ。
 
まずは、三品和広『リ・インベンション 概念のブレークスルーをどう生み出すか』について。この本は神戸大学経営学部の先生とそのゼミ生が書いた本で、「リ・インベンション」というコンセプトを提示している。
 
「リ・インベンション」は文字通り「再発明」のことで、これまで当たり前とされてたモノを素朴な視点で見直し、それを根底から作り変える活動のことだ。事例として9つの製品が挙げられている。その中でとくに参考になりそうなのが、ホヴディング・レボライツ・スマートペンの事例だ。
 
まずホヴディングとは、「見えない自転車用ヘルメット」だ。発明者はスウェーデンの2人の大学生。スウェーデンは自転車大国で、自転車の転倒事故による死者が多い。しかし普通の自転車用ヘルメットは大きくてかさばり、不恰好だ。ホヴディングはそうした問題に着目したのだ。そして、首に巻くスカーフ型の本体から、いざという時にエアバッグのようにヘルメットが飛び出すようにしたのである。
 
つづいてのレボライツは、「そっぽを向いた自転車用ライト」だ。開発したのは、NASAと医療機器メーカーでエンジニア経験のあったケント・フランコヴィッチ氏。彼は、自転車のライトがハンドルバーについていることに疑問を持ち、交通事故の原因を調べてみた。すると分かったのは、側面視認の重要性だった。そこで彼は、前や後ろを照らす今までのライトの代わりに、タイヤ側面を光らせて横を照らせるようにしたのだ。これなら、自転車に横から近づく車からも見えやすい。
 
最後のスマートペンは、録音・再生機能付きのペンだ。単に話の内容を録音・再生するだけではない。ペンでノートの一部をタッチすると、その箇所のノートを取っていたときの録音内容が自動的に再生されるのだ。たとえば「ノートのこの箇所で先生が何て話していたか聞きたい!」と思ったら、そこをタッチするだけでいい。巻き戻し・早送りといった手間がいらないのだ。
 
これらの事例で参考になりそうなのは、次のような点だ。
 
①シンプルな問題を解決する
 
どれもコンセプトはとてもシンプルだ。聞けば何が問題で、それをどう解決するのかがすぐ分かる。「これは大事な問題だなあ」という気がする。
 
間違っても、有りもしない問題を勝手にでっちあげたり、複雑でうんざりするような解決策だけは取らないようにしたい。
 
②「化石」と「ハイテク」の組み合わせ
 
リ・インベンションの対象は、昔からあるものばかりだ。自転車用ヘルメットにライト、ペン。他には台所用品や扇風機などもある。
 
そうした化石化した商品に、ハイテクを組み合わせている。たとえばホヴディングなら加速度・ジャイロセンサー、高強力ナイロンなど。スマートペンなら手書き文字読み取り技術、小型カメラ、高感度マイクなどだ。
 
つまり、一見化石化してイノベーションの余地のなさそうな商品だからこそ、ハイテクによって「化ける」可能性があるのだ。
 
③コンセプトは細部に宿る
 
コンセプトを徹底すると、製品の隅々にまで反映される。そのためには、数年単位という時間がかかっている。ホヴディングでは7年、レボライツで2年以上、スマートペンでは4年だ。
 
そしてコンセプトが徹底されると、他社の類似品にも負けなくなる。一見似ていても、「徹底度の違い」のようなものは露見してしまうためだ。
 
④柔軟な資源調達・パートナー探し
 
3つの事例とも、とても柔軟に資源やパートナーを探している。スマートペンでは、中核技術たる小型カメラや手書き文字の変換ソフトまで、社外からライセンス導入しているのだ。
 
またパートナーに関しては、ホヴディング社の事例が参考になる。彼らは大学生と言う何も持たない身だったからこそ、様々な相手と協力できた。エアバッグメーカーのアルバ・スウェーデン社と協力して安全実験を、スウェーデン交通研究所と協力して事故発生時の動きのデータ化をしたのだ。
 
ではもっと具体的には??いくつか方針めいたものを書き残しておきたい。
 
・「問題」と「解決策」のセットが命
・実感の湧く「問題」を設定する。僕らは大学生だから、大学生にとっての問題ならすごく実感があるだろう。
・数年かけても良い、と思えるような分野・コンセプトを見つけ出す
・意識的に、ハイテクとの組み合わせを妄想してみる
 
こんなところだろうか。後の2冊については、また次回以降で書こうと思う。