basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

高校の友人と、ものを作ることにした ~ありふれた活動のありふれていない問題を見つける~

高校の友人と、物を作ってみることにした。前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/29/001054)は、参考になる本その3として、『東大式 世界を変えるイノベーションの作り方』を取り上げた。
 
今回は、「じゃあ具体的にどんなことをやろうか?」を考えてみた。計画の肝になる部分だ。
 
そもそも、どういう領域のことをやるのか?それを選ぶ基準はいくつかある。
 
①自分にとって身近で、
 
②ある程度の経験があり、
 
③問題を痛感していて、
 
④その問題がすごく大事な問題
 
というような領域だ。そこで今回は、「論文執筆」に関するモノを考えてみよう。上の基準との対応関係は、
 
①・②→僕達は大学生で、論文を読む機会が多い。また書く方についても、ゼミ論や卒論を書いたことがある。
 
③→論文を書くという作業は結構めんどくさい。しかも、不必要に面倒だ。まだ何が本当に問題なのかはよく分からないが、何か大きな問題があるような気はする。
 
④→論文を書くというのは、広く言えば情報を処理して新しい情報を生み出すという作業だ。この中には研究活動だけでなく、事業経営や読書など色々な活動が含まれる。論文執筆についての問題を解決できれば、色々な分野に波及するのではないか?
 
・・・という具合である。
 
まず、論文執筆はどんな活動からなるのか?細かく分けてみる。
 
・先行研究の整理
・文献探し
・アポイントメント取り
・インタビュー
・メモ取り
・メモおこし
・メモの整理
・構成づくり
・文献リスト作り
・メモの統合
・各パラグラフの執筆
・推敲
 
こんなところだろうか。
 
これらの活動のうち、とくに大きな問題がありそうなのはどこか?色々考えてはみたが、とくに大きい問題は、文献リスト作り・メモおこし・メモ取り・メモの整理にありそうだ。
 
①文献リスト作り
 
論文の終わりに、参考にした文献をズラリと並べる。これを書くのが意外と面倒だ。もちろん、Refworksなどの支援ソフトはある。しかし、OPACで検索して出てこない雑誌記事などの書誌情報は出力できない。
 
そこで、文献のタイトルを撮影するだけで書誌情報を検索し、所定の形式にまとめあげてくれる「モノ」があるといいのではないか?
 
②メモおこし
 
僕は経営学を専攻していて、よく工場見学に行く。そして、工場で見たこと・聞いたことをなるべく全部、手書きでメモしていく。
 
そうして出来上がったメモは、グチャグチャで、大事な情報が抜けていたりする上、欲しい情報を検索できない。
 
そこで、「メモおこし」をする。メモの中身をパソコンに打ち込みつつ、思い出したことを追記していくのだ。図もきちんと描きなおす。
 
これに、ものすごく時間がかかる。A4紙1枚のメモを完璧に起こし終わるのに、30分~1時間はかかる。1回の工場見学は平均して2~3時間、その間に10枚~20枚のメモをとるので、1回分のメモを起こすのに最低でも5時間くらいかかる。
 
これを、何とかできないか?
 
③メモ取り
 
文献を読んだときには、メモを取る。僕の場合はエバーノートを使うが、他のソフトや紙のカードを使う人もいるだろう。
 
どんな形式であれ、メモすることは2つだ。1つは、文献の内容そのもの。使えそうだと思った箇所をそのまま引っ張るのだ。短い箇所なら丸ごと書き写すし、長い箇所なら要約する。2つ目が、自分の考察。その箇所から何を思いついたのか、どうして使えそうだと思ったのか、などを書きとめる。この「考察」が、論文の骨組みになる。
 
このうち「考察」の方は、もう自分で書くしかない。でも、「内容」の方はもっと手軽にメモできないか?写経のように文献の内容を書き写していると、しばしば徒労感を覚える。
 
たとえば、ここにペンがあるとする。このペンで引っ張りたい箇所にマークを入れる。すると同時にそこがスキャンされ、OCRソフトでテキストデータに変換されたうえで、メモが自動生成される。あとはこのメモに、「考察」を書き加えるだけでいい。
 
④メモの整理
 
メモは取っておしまいではない。何度も見返したうえで、内容ごとに整理しないといけない。関連のあるメモをいくつか集めるとパラグラフができ、パラグラフを集めると章ができ、章を集めると論文になるのだ。
 
このメモ整理、よくやるのがタグ付けでの整理だ。1つのメモあたり3つくらいのタグをつける。紙カードを使う場合も、右上にタグ代わりのキーワードを書き留める。
 
でもタグには問題もある。必要なタグは最初には分からない・タグが増えすぎる・タグは違うのに関連のあるノートが実はある、というような問題だ。
 
タグより良い、メモ整理の方法はないか?
 
 
・・・これらのアイデアのうち、特に③と④のような「バーチャル(データ)とリアル(実物)を結びつけるための道具」というのは面白そうだ。他のアイデアにも応用できるだろう。
 
ただ正直な所、どれも「お役立ちグッズ」的になってしまいそうな感は否めない。「あればうれしいけど、無くても別に困らない」というものだ。効率性向上のためのもので、論文の質自体を上げるようなものではないのだ。「今までより短い時間で作業が済むようになりました。それで?」という感じがしてしまう。
 
せっかくやるなら、もっと根本的なことに取り組みたい気はする。論文執筆をより良くするには、一体何が必要なのか?
 
いずれにせよ、「論文執筆」に関しては、まだまだ「面白いモノ」を生み出す余地がありそうだ。引き続き考えてみたい。