basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

イノベーションの本質は何なのか? -文化の劣化コピーは、同質化を進める③-

前回はこちら→http://basils.hatenablog.com/entry/2013/08/26/225438

 

 このように、1つの言葉、1つの概念といえど、それが成立するまでには長い紆余曲折があり、淘汰された類似物があり、関連概念があり、先祖格としての概念があり、そこから派生していった概念がある。
 
 そうした文化的要素の生成過程その他を理解せずに、1行で終わる説明が伝播すること、それが文化の劣化コピーの生成と普及である。
 
 そしてこのような成り立ちをとっているため、文化の劣化コピーは人を同質にする方向に作用する。ただ、同質化することと、連続的に作用することを同義と考えて良いのかどうかは、次なる課題である。
 
 いままで連続的性質をもつ要素として挙げた代表格は、貨幣と実数である。そしてその特徴としては、線型的性質を持つこと、分割しても交換可能であることなどを考えた。これらは、文化の劣化コピーの場合にも当てはまるのだろうか?
 
 これを考える際、情報の複製可能性や多重利用可能性には配慮しなければならない。文化の劣化コピーに関しては、数を数え上げることができない。それならば、線型的性質を持つことや分割・交換は初めから不可能ではないか?
 
 とはいえ、文化の劣化コピーが分節的に作用するかというとそれは不自然だ。文化の劣化コピーは、違いをつくり出すというよりは、違いを無くす方向に作用する。
 
 とすると、文化の劣化コピーはやはり連続的に作用するのだろう。だとすれば、これと貨幣・実数など他の要素との共通点は、どのように表現できるだろうか?