basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

高校の友人と、ものを作ることにした ~具体的な計画について~

高校の友人とものを作ることにした。まずとりかかったのが、
 
①理念固め
②計画づくり
③メンバー集め
 
だ。前々回(http://basils.hatenablog.com/entry/2013/12/30/012710)と前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2013/12/31/220020)は、理念をなぜそんなに大事にするのかについて書いた。
 
と来れば「じゃあ具体的にどんな理念でやるの?」ということについて書くのが当たり前だろうが、ところがどっこい、そうはいかないのである。
 
ずっと抽象的なことを書き続けると、何だか哲学的問答に陥ってしまいそうだ。読者の離反を招くであろう。それに、書いていても飽きてくるというのも正直なところ。
 
というわけで今回は「②計画づくり」について書こうと思う。
 
先日友人と飲んだ時に、「じゃあどんなことやるかね~」とごくラフに話し合っていた。すると不思議なもので、この計画について話したのは初めてだったのに、大まかには考えの方向性が似ていたのだ。これは予想外にうれしいことだった。
 
まずは、「モノにこだわりたいよね」という考え。つまり手で触れられないサービスよりは、手で触れられる「モノ」を作りたいということ。
 
この点に関しては、2人ともやや異なった観点からではあるものの意見が一致した。
 
より理想主義的な友人は、「身近にあるモノって、けっこう大事だよね」と主張。たしかに、それはその通りだ。普段使いのモノは、生活そのものであるとも言える。そういったモノを自分たちで作って、いろんな人に使ってもらいたい、「おお!」と思ってもらいたい、というのが友人の考えだ。
 
一方より現実主義的(つまり打算的で功利的な)僕は、「有形のモノを作ったほうが、事業としてより上手くいくのではないか?」と主張。理由は主に2つ。
 
まず、参入への壁が無形のサービスに比べて高いため。正確に言うならば、高いと思われているため。常識的に考えるならば、有形のモノよりは無形のサービスを作る方がハードルは低い。
 
無形のサービスというと主にウェブサービスということになるだろうが、こちらはプログラミングさえ出来ればまずは誰でも作れる。もちろん、プログラミングを習得するのに一苦労するわけだが、それは個人の努力次第。
 
そして、ウェブサービスの方がある程度流通・公開の場が整っている。
 
たとえばiPhoneのアプリを作る人が多い(多かった?)のも、アプリの良しあしが個人の努力次第で決まり、かつApp Storeという流通・公開のためのインフラが整っていたおかげではないか。
 
しかしハードルが低いということは、裏を返せば競争相手が多いということだ。レッド・オーシャンなのだ。
 
それに対して、有形のモノはどうか?確かに、参入への壁は高い。しかし、徐々に低くなりつつある。
 
一番目立つのは3Dプリンターの登場だが、それだけではない。確かに3Dプリンターによって、個人でも今までよりずっとモノを作りやすくなったのは確かだ。しかし、時間がかかる・加工できる材料が限定されている・加工方法が限定されている・材料費が高い・加工精度が低いといった欠点のため、これで100個~1000個単位の量産をすることはできない。せいぜいが試作どまりだ。
 
より重要なのは、個人でのものづくりに必要な資源を得るためのインフラが、整いつつあることだ。たとえば資金提供・購買予約・宣伝を一挙に行えるクラウドファンディング、個人のものづくりを支援するコンサルティング企業、3DCADデータさえ送れば試作をしてくれるサービス、そして成功者の体験談や個人でものづくりをする上でのポイントをまとめたノウハウ本などである。
 
日本では2012年後半ごろから、メイカーブームが巻き起こってきたと言われる。それから1年余になるわけだが、「今からはじめれば間に合う」というのが僕の考えだ。
 
有形のモノにこだわる2つ目の理由は、いま身近にある道具には大きな問題が潜んでいると思うからだ。
 
たとえばカッター。刃はむき出しだわ、曲線は切りにくいわ、厚い物は切りにくいわ、刃を折らないといけないわ・・・とにかく問題づくしだと思うのだ。
 
それにもかかわらず、今までこの問題を腰を据えて解決しようとした人は、おそらくいない。いないからこそ、僕のカッターも、あなたのカッターも、十年一日のペン型繰り出し式カッターなのだ。
 
これはなんとかしたい。子供には持たせられないし、子供のそばで使いたくない。
 
こんなふうに、身近な道具には意外と大きな問題が潜んでいると思う。その諸々の問題のうち、特にクリティカルなものを解決できれば、バーンと先の展望が広がるのではないだろうか。
 
というわけで今日はここまでにして、計画の続きは次回。今まではこのブログの中の人(basils1)だけが記事を書いてきたのだが、そろそろ友人にも書いてもらいます。7日ごろまでは忙しいと言っていたが、「じゃあその気分転換にでも」と言えば書いてくれるでしょう。多分。