basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

高校の友人と、ものを作ることにした ~クラウドファンディングサイトの品定め~

高校の友人と、物を作ってみることにした。前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/30/230447)は僕たちにとって身近な「論文を書く」という作業に焦点を絞り、どんな問題があるかを考えてみた。

今回からは、クラウドファンディングサイトの比較をしてみる。1月23日の記事(「ミニ株式会社としてのクラウドファンディングhttp://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/23/010440)では、クラウドファンディングの概要と、僕らがどう使っていきたいかを書いた。今回はその続きで、具体的にいくつかのサイトを見てみる。

まずは、日本で有名な2つのサイト、READYFOR?(https://readyfor.jp/)とCAMPFIRE(http://camp-fire.jp/)からだ。

READYFORの特徴を挙げると・・・

・方式は購入型。寄付や投資ではない。金銭以外でのリターンと引き換えに、支援をしてもらう。

・立ち上げは2011年4月、日本初のクラウドファンディングサイト。

・取扱額は最大。支援者数は約3万人。

・手数料は調達成功時のみ、調達額の17%。

・申請から掲載までの期間が、約1カ月。掲載から調達終了までの期間が、約1カ月~3ヵ月。

・成功率は7割程度。

・調達目標額は100万円~300万円

といったところだ。そしてプロジェクト特性としては、自治体やNPOが社会問題を解決するものが多い。地域密着的で、分かりやすい問題意識(復興支援・途上国支援・町おこしなど)のものが目立つ。また具体的な形のあるプロダクトは少なく、無形のプロジェクトや映像作品が多い印象だ。

それと対照的に、自己満足的なプロジェクトやクリエイティブ系のプロジェクトは少数で、しかもあまり好調でないようだ。また、斬新な問題設定をして今までにない製品を作るというリ・インベンション的な活動(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/25/004425)は皆無だった。

では、一方のCAMPFIREはどうか。特徴は・・・
 
・方式は購入型。
 
支援者数は、約3万5000人。
 
・手数料は調達成功時のみ、調達額の20%。
 
・申請から掲載までの期間が、約10日。掲載から調達終了までの期間が、7日~80日。
 
・成功率は(見たところ)90%以上。
 
・調達目標額は20~150万円程度。
 
そしてプロジェクト特性は、本当に様々だ。20近くものカテゴリーに分かれている。そのうち僕らの計画に近いのは、「プロダクト」「テクノロジー」「ビジネス」の3つだろう。これらのカテゴリーでは、切れ味の鋭い問題設定をしたもの、今までに無い解決方法を提案したものが目立つ。たとえば、非常食の定期宅配サービスyamory(http://camp-fire.jp/projects/view/161)、忘れ物をしなくなるsticknfind(http://camp-fire.jp/projects/view/675)、メッセージが届くとスマホが香りを噴霧するChatPerf(http://camp-fire.jp/projects/view/536)などだ。
 
これは、僕らのプロジェクトと相性が良さそうだ。
 
もしREADYFOR?とCAMPFIREのどちらかを選ぶなら、僕らは迷わず後者にする。最大の理由は、プロジェクト特性だ。こちらのほうが、僕らのやりたいことに近そうだ。
 
その他、CAMPFIREのメリットとしては、
 
・申請~掲載期間が短い
 
・成功率が高い:運営元からのサポートが強力な証と言える
 
ということがある。一方デメリットとしては、
 
・手数料が高い
 
・調達額が、比較的少額
 
・20近くもカテゴリーがあるということは、裏を返せばどれか強力なカテゴリーが1つあるわけでは無いということ:もっとプロダクトに特化したクラウドファンディングサイトがあるなら、そちらのほうが有望かもしれない。
 
ということがある。特に調達額がやや少なめなことには注意したい。
 
READYFOR?とCAMPFIRE以外のサイトという選択肢は、あるだろうか?まだ調べていないので何とも言えないが、おそらくナシ、だと思う。クラウドファンディングは単なる資金調達の場ではない。前宣伝の場であり、市場調査の場でもあるのだ。宣伝や市場調査のためなら、知名度の高いこれらのサイトの方が有利だ。
 
だから、よほどプロダクトに特化している・調達額が大きいなどの知名度の低さを補うメリットがなければ、この2つ以外という選択肢は無いかなと思う。一応は調べてみよう。
 
それにしても、両サイトに掲載されているどのプロジェクトも凄い。完成度やディテールの細かさに驚かされた。僕らには、まだ何もない。こういうブログを書いている時も、「僕らに本当にできるのだろうか?」と胃の底がザワザワする。あまり悩んでも仕方ないので、一歩ずつ、着実に前に進もう。夢を見続けるためには、まず夢を信じることだ。