basilsの日記

イノベーションについて考察するブログ。その他、アルバイト日誌、感想文、雑感など。

高校の友人と、ものを作ることにした ~無い袖を振るには?~

高校の友人と、何か物を作って売ることにした。前回(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/19/013151)は、こういうことをやる動機になっている僕の原体験について書いた。色々なことがあったが、案外彼女と大喧嘩したことが効いていると思った。
 
かなり観念的な話だったので、今回はもっと具体的なことについて。資金のことだ。
 
形のあるモノを作るには、とにかくお金がかかる。僕らは「趣味」としてやっているから人件費は不要だとしても、試作・製造・販売にかなりの額が必要であることは想像に難くない。正直、いくらくらい必要なのか見当もつかない。
 
具体的な必要額の見積もりは後日行うとして、今日はどういう資金調達手段が使えるのか・それぞれの特性は何であるかをまとめてみたい。まとめるにあたっては、水野操(2012)『デジタルで起業する! 大手メーカーにはできないひとり会社の成功方法』かんき出版 と、三木康司・宇都宮茂(2013)『マイクロモノづくりはじめよう 「やりたい!」をビジネスにする産業論』を参照した。
 
では、具体的にどんな調達方法があるのか。僕らにとって有望なのは、自己資金・ベンチャーキャピタルやエンジェルの出資・事業会社からの出資・クラウドファンディングの4つだろう。
 
①自己資金
 
文字通り、自分の預金口座にある資金。メリットとしては、完全に自由に使えること・計画へのコミットメントを他人に示せることがある。デメリットとしては、額が少額(学生の身では数十万円が限度か?)なことである。
 
しかし、上記の本に出てくる「ひとりメーカー」の方たちも、まずは自己資金のみで開発をしている。3DCADなどによるバーチャルでの試作・実験をしたり、大学やFabLabの設備を使ったりすることによって、プロトタイプの試作までは自己資金でできるのではないか。
 
例えば慶應SFCでは1500ドルくらいの廉価な3Dプリンターを誰でも使えるというし(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/14/news059.html)、FabLab Shibuya(http://www.fablabshibuya.org/how-to-use)では1回(1日?)1000円という低価格でペーパーカッター・レーザーカッター・刺しゅうミシン・3Dプリンターを使えるという。
 
僕らの作るのは、そこまで複雑な製品ではない。だから初期段階のプロトタイプまでは自分たちの手で作ってしまったほうが、金銭的にも時間的にも効率的だろう。
 
ベンチャーキャピタルやエンジェルの出資
 
しかし、より本格的な試作や量産にまで進むと、自己資金では賄いきれなくなる。そこで考えられるのが②~④の方法だ。
 
まずVCやエンジェルからの出資のメリットは、金額がケタ違いに多いこと(数百万~数千万円??)。一方デメリットとしては、ある程度事業が形になっていないとそもそも門前払い・エグジット(IPOや事業売却など)に気をつかわないといけない・日々の財務管理を厳しくチェックされる、などがある。
 
要は、多額の出資を得られる代わりに、入り口と出口を厳しく制約される。これはちょっと「趣味としてやる」という方針に反しそうだ。よほど多額の資金が必要になった場合に、オプションとして検討する程度だろう。
 
③事業会社からの出資
 
これは、別の事業会社から会社に資本金を入れてもらう方法だ。本の事例では、販売が軌道に乗ったことで自己資金では賄いきれないほどの投資が必要になり、付き合いのあった加工機メーカーの社長から出資を受けた会社がある。
 
メリットとしては、金額が多いこと・出資する会社とのシナジーが期待できること。デメリットとしては、経営に事業会社の意向が反映されること・かなり長期的な関係を想定しないといけないこと・コネクションが無いといけなさそうなこと、がある。
 
こちらも額が多いものの、自由度はかなり制限されそうだ。やはり、オプション程度というところだろうか。
 
ただし、これと類似の「プロトタイプまで作って事業会社(コクヨとか)に持ち込む」という方法は一考に値する。例の軍師的アドバイザーの方(http://basils.hatenablog.com/entry/2014/01/17/012334)に提案された方法でもある。
 
プロトタイプまでならそこまで多額の資金は不要だろうし、それで自分たちの製品を世に出せるならそれでもいい、という風にも考えられる。だから問題は、それが自分たちの目指すものかということだ。それについてはちゃんと検討しないといけない。
 
・・・さて、ここまで3つの方法を挙げてきたが、次が大事だ。クラウドファンディング。今をときめいている感じがするし、金額も最大数百万円と自己資金より1ケタ大きい。何より僕たちの活動方針に合っていそうだ。しかしこれは次回で。ちゃんと調べてから書いてみたい。